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2017/07/22-23 Berlin
昨日は結局ハイなまま朝までサイクリングを楽しんだ。
今日はベルリンへの移動日。夜はberghain。
2日目にして今回の旅行の前半戦の山場と言えるくらい楽しみにしている日だ。
移動はInterCitiという高速鉄道のため、7時間近くかかるのでそこで睡眠をとるためにも朝までハイでサイクリングできたのは色々都合が良かった。
チェックアウトして宿の近所のカフェで朝飯を食ってくからアムステルダム中央駅へ。
念のため指定席をとっておいた。電車に乗り込むと俺の席のはずの場所にカップルが座っていた。話しかけると「おお、わりぃ、わりぃ。」みたいな感じで離れていった。
空いてる席にはどこでも座る欧州人の緩さって感じがして、悪い気はしなかった。
カップルの彼氏の方の足には「武士道」って漢字でタトゥーが入っていた。
いつのまにか寝てしまっていて駅員に起こされたらBerlin Ostbahnhof駅。22時だった。
アムステルダムではよく分かんなかったのでベルリン中央駅までの切符買ってたのだが、Berlin Ostbahnhof駅は中央駅より先の、berghainの最寄り駅だった。
こっちは改札がないのでそのまま出ることができて、とてもラッキーだった。
ホテルはberghainから歩いて3分くらいのところに今日と明日の分取ってある。
荷物を置くためにチェックインして部屋に入ると、とんでもなく広い部屋で驚いた。
ベルリンは物価が安いらしい。
踊れる服装に着替えてからホテルを出て、駅の地下のスーパーでビールとつまみを買って、まずはwatergateへ向かった。今日は入るつもりはないがまあ有名な場所なんで表の写真くらい撮って置くかと思っていた。
向かう途中のオーバーバウム橋では様々なグループがセッションしたりしていた。
橋の真ん中ほどで、打ち込みのテクノのライブをしているグループがいて、足を止めた。
よくみると日本人の2人組だった。
買って来たビールを開けて音を聞いていると、とても、とてもかっこよかった。
音に揺られていると、髭面のちょっとだけオタクっぽい(いかにもテクノ好きそうな)ドイツ人が火を貸してくれと言ってきたので色々と片言の英語で話をする。
彼は今日はsythiphosというクラブに行くらしい。とってもいい場所でリラックスできてとんでもなくドープなイベントだからお前も俺と一緒に絶対来た方がいい、って言って来る。ただ俺はberghainに来るために今日ベルリンに来たので、丁重に丁重にお断りする。ただ、sythiphosについてあとで調べてみると、とんでもなくドープなくらぶのようだった。いずれまたベルリンに来た時には真っ先にいきたいと思っている。
2人組の日本人テクノユニットはテンポを上げ下げしつつ確実に観衆をつかんでいった。
足を止める人も増え、2人の前に置いている缶にお金を入れる人も結構いた。
観衆の中に明らかな日本人な男女がいたので話しかけてみると、2人とも来月のオレゴンには行くという。1人はオゾラにも。
色々話しながら、またパーティーで会いましょうと別れる。
25時くらいになり、berghainへ向かう。
このイベント(7/22-24)のラインナップ。
着いてみるととんでもなく長い行列があり、まあ噂には聞いていたしそこまで驚きはなかったけど、いつ入れるのか果たして入れるのか、不安な気持ちになる。と、最後列に並んでいた薄汚れたジャケットを着たおっさんが「What do you want??」と話しかけて来る。おー早速きたかと。
ポケットには昨日買ったmdmaの残りを持って来てるのでLSDはあるのかと聞くとLSDだけは無いんだと。えーーーーーないんかい!
mdmaとコカインを執拗に売りつけられ、まあ、色々試すかとmdmaを買う。
味見をすると、昨日と同じ味がした。小さくて細長いカプセルに入っていた。
俺とのやりとりが終わると、俺の後ろに並んでいたカップルに全く同じことを始めていた、この人もパーティーで生きているんだなと思った。
26時。並んで1時間ほど経ったが、まだ全くいつ入れるのか検討もつかない。
27時。まだ入り口は見えないが、なんとなく追い返されて帰って来たであろう人たちが見えて来る。見ていると4割程度がエントランスで弾かれているようだった。
28時。うっすらと空が明るくなって来た。あと50m。バスドラの音が響く。あと100人ほどの場所まで来た。首まで刺青の入ったおっさんがエントランスで首を縦に振ったり横に振ったりして、その度に喜びと悲しみが生まれていた。あと2組。目の前はおっさん1人で、その前は男女の4人組だった。4人組はあっさりと悲しむ側にまわされ、おっさんはやはりスムーズに入ることができ、俺は一瞬の間があったものの、刺青の入った顎で入り口を差してもらうことができた。
中に入るとまずボディーチェックをされた。4箇所ほど受付があり、ポケットの中のものを黒い台の上に全て出すように言われた。台の上に置いたiphone前と後ろのカメラには橙色の丸いシールを貼られた。
その先にカウンターがありエントランス16ユーロを支払う。20ユーロの紙幣を渡すと、カウンターに座った男がニヤニヤしながら俺の前にコインを出したり、取り上げたり、クルクル回したりして遊び始めた。おちょくられてたんだと思うが、不思議と嫌な気分にはならなかった。
中に入ってクロークを抜けるとどでかい吹き抜けがあり、高さ5メートルほどの、中世ヨーロッパ風の人がとぐろを巻いた盃のようなもので何かを飲み干す彫像が鎮座していた。バスドラの音が外とは比べ物にはならないくらい響いていて、彫像の周りにはTバックにボンテージをつけたマッチョが30人くらいいて、ああ、やっと来ることができたと安堵と歓喜とが色々と混ざり気づいたら絶叫していた。
吹き抜けの上の階がメインフロアになっていて、とんでもない数の半裸の人間がとんでもなく大きくていい音のテクノでガツガツと踊り狂っていた。これがberghainか。
気づけば8時間ほど踊っていた。正確には踊ったり休んだり複雑に入り組んだ迷宮のような建物を探検したりしていた。ゲイはとても優しく、女の子も可愛い子が多かった。
とても記憶に残っているのは、panorama barのベンチで休んでいる時に横に座って香水をつけ始めて、俺にもつけるかと聞いて来た女の子だった。何も聞いてないのに、「私はお酒は飲まない。どんなに周りに勧められてもドラッグもやらない。香水だけでいつまででも踊ってられるんだ。」と言っていたのが印象的だった。その後もフロアでなんども踊り狂っているのを見かけたが、勝手にperfume girlと俺の中では呼んでいた。
何回か最前列でも踊ったが、不思議と人口密度は高くなかった。berghainは巨大な空間だが、どこでも音が良い為に、皆がそれぞれのタイミングのいい場所で踊り狂っているようだった。個人的にはフロアを見下ろせる階段の踊り場で踊るのがとても気持ちよかった。見たことのない光景のフロアを見ながら、聞いたことのないクリアで爆音のテクノを聴きながら、とてもフレンドリーなゲイに囲まれながら踊ることができた。
16時。さすがに疲れてきて、一旦ホテルに戻ることにした。すぐ裏にホテルを取っていて本当に良かった。踊り始めて1時間くらいで俺もTシャツを脱いで半裸になっていたのだが、それでも絞るとTシャツからはビール2本分くらいの汗が流れ出て来た。
22時。疲れていた割にはそこまで長い時間寝ることもなく目が覚めた。これはこの旅行中ずっと続いている。かと言って、寝られないわけでもなく、疲れはよく取れているので、時間を効率的に使うことができてとても良い感じだ。
23時に戻ると、相変わらずの行列だった。日曜日の夜に行列を作ってテクノで踊ろうなんてほんまに頭イカれてんな、最高やんけ。
再入場は手首のスタンプを見せるだけで入ることができ、とってもスムーズだった。
中には、予想はしていたが、出る前と全く同じ光景が広がっていた。
というか、ちょっと客層も音もハードになっていた。(もともとかなりハード。)
2回目も踊ったり探検したり人と話したり、半個室みたいなシートに座ってみたり、そこではスパニッシュ系のゲイがガンジャをくれた。mdmaはアムスで買ったやつを少しだけホテルに残してきたのを除いて使い切っていた。
朝9時くらいに出てホテルへ戻った。大満足。
周りの人たちの楽しみ方を見ていると、やりきったと言い切れるか不安にならないでもないが、クラブ体験としてとてもとてもいい経験をすることができたと思う。
今日から東京で出会った友達がベルリンでシェアしているアパートに居候になる予定で、13時に待ち合わせの約束をしていた。シャワーを浴びて汗を流し、ニヤニヤが止まらない顔をそのままにして、荷造りをした。
2017/07/20-21 Tokyo,Dehli,Amsterdam
7月20日。会社を辞めたのが6月20日なんで、そのちょうど1ヶ月後に日本を出国した。
昨晩は飲んだ後、代々木公園で寝ちゃって、帰って準備をしてたら朝になっていた。
パッキングの事前確認もしてなかったので、バックパックは超満タン。
9時過ぎに家を出てバスで渋谷へ。
まずは出国前の最後の儀式、ハローワークで失業認定を受ける。
忘れ物をしたので1度家に帰り、再度渋谷へ。成田へは15時半に着く。
フライトは18時10分なのでまだまだ余裕だ。預け荷物を預けた後、ゆっくり両替所のレートを比べ、一番良かったところで10万円分ずつユーロとドルに両替する。
時間が余ったので、最後に日本で飯でも食うかと、スープストックへ。
カリフラワーカレーとボルシチスープ。
なんでこのチョイスをしたのか自分でも分からない、が美味しかった。
持病の薬を持って行くよう掛かりつけの医者に強く言われたので持って来たが、静注用の注射器もセットなので、手荷物検査でトラブんないか冷や冷やした。が、何も問題なかった。
まずは成田からデリーへ9時間。隣2席が空席だったので、ゆーっくりできた。
深夜食堂の映画の続編を見たり、レイヴ本を読んだりして過ごす。
機内食はカレーだった。そりゃそうか、インド行きやもんな。
デリーでの乗り換えで、また手荷物検査。
問題なく通過し出国ロビーへ。フライト予定の電光掲示板で搭乗口を確認するも、乗るべきフライトだけ表示されていない。結構焦る。しばらく見ていても後の便は表示されても、自分のは一向に表示されない。
インフォメーションで聞いても、航空会社へ聞け、だけ。航空会社は出国ロビー内に受付はなく、他の便の搭乗手続きをしているところへ押しかけて、どうなってんだ??と聞く。
すると普通に、ああそれは7番ゲートね、と言われる。おいおい、そんだけかよ。
デリーからのフライトはアムステルダム経由でトロント行きのようだ。
やはりインド人が圧倒的に多い。隣の席はインド人の老夫婦。
俺が通路側、真ん中にインド爺、窓側にインド婆の布陣。ちなみに本当は俺が窓側だったけど、先にそこに婆が座っていたのと別にどうでもよかったので、こういう布陣になった。
ただ、このインド爺が全然寝かせてくれなかった。
リクライニングのやり方を教えろ、シートベルトの締め方を教えろ、お菓子の袋を開けろ、などなどワシゃ孫か。
アムスに着いたのは7/21の朝7時半。
電車とトラムを乗り継いで(この時点でもう街がハッパ臭い)宿の最寄駅へ。
宿はアムス中心から自転車で10分ほどの場所。アムスは宿が高い。
この宿もシングルルームで1万円以上した。初日からドミは嫌だったのでしょうがない。
宿に着いたのが10時。チェックインが14時からなので荷物だけでも預かってもらおうとするも、なんと部屋が出来てるからもう使ってもいいよ、と。助かるー!!
宿でレンタサイクルもして、いざ街へ。
初めてのヨーロッパ。街が超カッコいい。
日本の京都みたいに、観光地化されてる部分だけ保存されてるのかと思いきや、マジで全部が古い煉瓦造りの建物で驚く。そこを大量の自転車が通って、トラムが通って、運河は船が走ってて、車は右側通行で、結構トバされた。
まずはヘッドショップへ。街の中心地にはコーヒーショップとヘッドショップが無数にある。ヘッドショップはシードも売っていて、seed bankって看板も掲げている。
コーヒーショップで、アガるやつくれ、って出て来たwhite widowを試す。あんまりハッパ好きでないから分からないけど、確かに全然眠くなんない。来て初日ってセッティングもあるかもだけど。white widowを3gとskunkのジョイントを5本買って出る。
seed bankへ寄って、white sidowの種を5つ買う。いつ使うか分かんないけど。
散歩していると王宮前の広場でやたらと懐かしいサイケが爆音でかかっている。
コーヒーショップやバーは割と音を出しているけど、広場のど真ん中でこの音、きっとバカがいる。吸い寄せられるようにして行くと、キャップにフードを被った少年がボングを吸いながら、スピーカーを触っていた。話しかけるとすぐに意気投合し、色々話す。×を買いたいと言っていた。
サイケをかけてボングで吸っているやつと同じベンチに、親子が座って絵本を読み聞かせてるのはこの街だけな気がする。俺らの後ろに親子が座っていたことに気づいた時は本当に驚いた。
1度宿へ帰って、明日の宿とベルリンへの移動手段を決めることにする。明日はベルクハインへ行くつもりだ。
色々考えたけど、昼過ぎの特急(それでも6時間かかる)で21時着の切符を買う。
宿はベルクハインから1km以内のシングルルーム。ベルリンの方が安くて1泊7000円程度。
そこまでやると、ちょっと一安心して、一杯やろうとスーパーへ。節約節約。
ビールはそんなに安くない。チーズが驚異的に安い。ハムも安い。
20時頃、夜活動するために宿で仮眠をとる。
24時頃目が覚めて、思ったより寝すぎて驚く。まあ疲れてたもんなー。
さて、行動開始。出来るだけ評判のいいアムスでいいネタを仕入れて今後の旅に繋げたいと思っていた。あとはseed bankの店員が今日サイケのイベントがmutekwebってクラブであって面白いよ、と言っていたのと、日本でいつもお世話になってるKくんがオススメしてたde schoolの2つも回りたい。
街の中心地にはとんでもない量の酔っ払いがいた。街全体がお祭りみたいだ。
ダム広場にいれば声掛けられるよ、と聞いていたが、そんなことしてても誰も声を掛けてこない。自分から歩くしかない。
ハッパの匂いはそこら中からしてるが、それには興味がない。×とacidを買いたい。
1時間ほど歩いてやっと声をかけられた。カッスカスの小さい声で「ェグズダジィッ?」
すぐに立ち止まって振り返ると、長身の黒人が壁にもたれてこっちを見ていた。
歩み寄ってacidもあるか聞くと、ある、と。もういいや、こいつから買おう。
値段交渉がまとまって、金を渡すとティッシュに包まれたものを渡された。
ん・・?中を見ようとすると、警察が来た早く行け、と言う。なんだなんだ?
言われるがまま離れてから中を見ると、ただのチューイングガムだ。やられた。
「You are stupid!!」呆然としていた俺に、黒人の少年が声をかけてきた。
なんであんな悪い奴から買っちゃうんだよ、あれは唯の詐欺師だ、俺から買えよ!って言ってくる。なんだなんだ、どいつもこいつもと思ってたら、試していいぞ、という。
なら試すか。
綺麗に包まれた紙包みを開けると、薄茶色の粉末があった。指ですくって2舐め。
こいつはacidはないらしい。×はピュアなやつの粉末のみ。面白い。1g買った。
もう2時半だ。急がないと。
味見をしたやつがじわじわと温まりはじめてきていた。まずはmutekwebへ。
みんなグループで行動している中、1人で少し寂しくなってきたのを誤魔化すため「フォォォーーーーーゥ!」と雄叫びをあげる。気持ち良い。少年の方のネタはバッチリだった。
mutekwebはエントランスクローズしていた。30分ほど前に締めたらしい。
中から音はめっちゃなってんのにこんなことってあんのか。まだ3時やぞ。夜はこれからやないか。
気持ちを切り替えて、de schoolへ。自転車で15分ほどの距離。今の俺には全然余裕。
漕いでいる途中で気持ちも戻って来て、再度雄叫びをあげる、やっぱこのネタはいい。
de schoolへ着くと俄然音がなっている。音をくれ。早く。
エントランスへ行くと、なんとここもクローズだった。マジかよ。
もっと早く動き出すべきだった。
どうしようもないので、自転車に乗りながら好きなDJのミックスを爆音で聴く。
ネオンが綺麗で、気温もちょうどよくて、飾り窓には美人が立っていて、なんだ良い街だな。
切り替えの早さに自分でも驚くけど、旅はまだ始まったばかりで、明日はベルリンだ。
あの150ユーロさえ勉強代と思えば、まあまあ悪くないスタートだと思えるんやないか。
そんな気分だった。